出入りの業者のひとりが私のことを気に入っているそうだ、という話を聞いて、まず最初に頭に浮かんだのは勿論「え、誰?」という単純な疑問なのだけど、同時に「なんて羨ましい!」と思いました。というのは、津村記久子が、経験に基づいた会社員小説を書かせたらそのリアリティで右に出る者はいない(はず)津村記久子が、会社そのものではなくて、通勤途中に素敵なお店がある、とか、昼休みに使うコンビニの店員が感じが良い、とか、付随するなんらかのところで癒しを見つけるべきだ、とある本の中で説いていた(この話はまたいつか)ことを思い出したから。
業務ど真ん中ではなくて、その円周上に、つまり配達先にときめきがあるということは、結構もうそれだけで仕事頑張っていけるんじゃないか、と思う。職場そのものでなくて、出先ってとこがまた完璧じゃないですか。そうゆうの、私はもう4,5年ご無沙汰なので、恋のときめきとかに限らず(まず職場の異性は大体おじさんで、ハゲてたりオカマだったり童貞だったりDVチックだったりととても酷いメンツ)、従食が美味しいということもなく(むしろ社員の半分以上が食べるのを拒否するほどまずい。カレーさえ何故かまずい)、まったくもって息抜きになるものがなく、そりゃあ羨ましがっちゃうよね、っていう話ですよ。
ちなみに、件のそのひとが誰なのかは判明せず、というのもそれを私に教えてきたおばちゃんが、日本語なのに話が半分しか通じないとんちんかんなひとなせいもあって(最初「多分あなたの決して嫌いなタイプではないわよ!」と言うので、そんな目に止まるひといたっけ…?と唸ってたら、数時間後に「期待させてたら悪いけど、全然好みじゃないと思う…」と言い出したり、私が「えー、配達来るのっておじさんしかいないですよね?」と言ったら最初「まだおじさんって年じゃないわよ!」と言ってたのに、また何時間後に「もうあのひと、結構いい年だと思うわ〜」とか笑い出す有り様です。これが通常業務でもこうなので、もう殺意しかない、殺意しか)、もう私もピンと来ないということは、謎は謎のままにしておいた方がいいんでしょうね、ということで強請終了させたんですけど、

けど、
まあ、私はこうゆうので、周囲から攻めていく方法が好きではないので、客観的には羨ましがってみたりしてるけど、主観的にははっきり言って、ちょっと気持ちが悪いです。直接いこうよ、直接さあ…いい年して、人に頼るのはだめ。つうか、あのおばちゃんに最初に行った時点でもうアウト。人選ミスすぎ。

…諸々、私、潮時かなあと思ってます。



3.11は、仙台の友達に必ずメールをすることにしている。忘れてないよ、あなたの笑顔をずっと祈ってるよ、と。私には、今のところこれで精一杯。大事な数人の幸せのことで手一杯。でももうひとつ、必ずACIDMANを聴く。一人でも多くの魂を救うべく、福島へ通う伸夫のうたう歌。今年の福島ライブは、なんと一曲目が「式日」だったと聞いて、もうその事実だけで涙が出そうだった。多くの命が失われた、哀しみを呼び起こす日だけれど、誰かにとっては誕生日だったり、祝うべき記念日だったりするうこと、そういう喜びの気持ちを隠さなくてもいいこと、3月という春の日を、春のきらめきを、大陽の眩しさを、祝福する歌で、伝えようとしているんだと思った。
繋いでいく、今日の日を。
歌のちから、言葉のちからは、途方もない。だから救われるひともいるし、傷つけられるひともいる。いつもその二面性を思う。


うちのような弱小有限会社にベースアップは無縁だし、この薄給で消費税上がったら、もう恐怖だなあ、と思う。心から。増税前にお買い物っ!とか言ってる場合じゃないです、貯金です、節約です。本当に必要かどうか、の見極め。あーあ、消費だけの問題じゃないのにね。