with_isotope2013-07-01

ちょっと真面目なこと書きます。

函館、これでいいの?
と、いつも思ってる。それはもう移住してきてすぐの頃から。
今日、駅に切符を買いに行った。買い終えて駅から出て視界に広がった景色に、つまり、何処かからJRに乗って函館へやって来たひとが初めて見る“顔”ともいえる駅前の佇まいに、私は初めて、たぶん初めて、“田舎臭さ”を感じてしまった。一昨年まで、札幌から約3時間を経てたどり着いた大好きな街の“顔” には、懐かしさといとおしさを感じて心が満たされていたけど、それは、私の心の中に既存の函館観(しかも贔屓目)があったから。愛も執着もゼロの未訪の土地で、この“顔”に初めて出会ったとき、さて、ひとは何を思うのかな。“田舎臭さ”は、避けられないんじゃないのかな、と思ってしまった。
老舗の、といえば聞こえはいいけれど、古くてぱっとしない外観のデパートと全国チェーンのビジネスホテル。しかもデパートは、内部すっかすかでほぼ機能していない、ただの薄汚れた直方体。その直方体に、同様に薄汚れた「ようこそ函館へ」の文字と、そしてその隣には無理矢理な感じの真新しいGLAYの宣材。なんという締まりの無さ!
そうなのです、今月末にはGLAYの凱旋ライブが行われるということで、そこらじゅうに彼らのポスターが貼られているんだけど、私が駅前のさびれ具合に敏感になっているのは、GLAYのファンたちの動揺が想像できてしまうからなんです。
このライブってつまり、「俺らの地元に遊びに来いよ」っていう誘いなわけじゃないですか。初めて、彼らの生まれた街を見に来るひとたちもいっぱいいるわけじゃないですか。それで、これですか?っていう。目的は明確だからリピーターになる可能性も薄いかもしんないけど、2万人が函館に来てくれるチャンス、生かす気はゼロってことでいいですね?函館市さんよぅ!って、思っちゃいます。迎え入れる準備してないのに、ライブ会場だけ作ればOKみたいな、なめてんのか!とすら思っちゃいます。
田舎なのは仕方ないけど、寂れをほっておきすぎる。スタートラインの駅前もそうだけど、五稜郭にも何年もほったらかしの直方体がみっともなく放置されてるし、いちばんの見所としてうたってるはずの西部地区も歩けば歩くほど野放しにされて傾いたりしている旧い建物や空き家が多すぎる。崩れて事故になるっていう危険性もあるけど、やっぱり景観の問題は見過ごせない。それに、空き家が多い→人口減→住民には魅力のない街→でも観光地として宣伝してる、っていうちぐはぐな感じが、むずがゆくて仕方ない。
これでいいの?
ハード面だけでなくてソフト面も大変なことになってるのは自分の職場の現状から分かってはいるから、とにかく、どうにかしないと。
汚い部分が見えてきても、それでも私はこの街が好きだし、引っ越してきて良かったと思ってるし、だから、GLAYのファン達にがっかりされたくないし、GLAY別としても、みんな(住民も観光客も)に好きになってもらいたいんだよ、この街を。
ああ、私が億万長者ならば。私財を投げうって改革するのに。誰か、宝くじ当たったら全部私に下さい。いのいちばんに元町のシエナを買い取って営業再開します。電車通りに廃業した小汚ないホテルを何年もほっといて平気なのかこの街の資産家たちは。何に使ってるんだ、よこせ、まじで。