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忘れられたワルツ

あー、相変わらず私はこのおひとの文章が好きだなあ。温度とか、リズムとか、毒と密の配分とか、肌に合うんだろうね、もう、あっという間に読み終えてしまう。
「葬式とオーロラ」が特に好き。会話がすごーく自然。

ユニット (文春文庫)

…あのねー、これ、一読者として望むべき終わり方をいろいろ考えてたんだけど(小説的に、とか、社会的に、とか)、「うわあ！」てぐらいに想定外で、ショックでかー。
テーマが重いので(少年犯罪、DV…)重いまま終わるのはしょうがないと思ってたけど、これなんか、一応ハッピーエンドみたいになっちゃってるじゃん？それが異様なんだよ逆に！いやあ…私はちょっと受け入れがたかった…
まあこのショックのでかさはね、陰惨な事件の舞台が、愛して止まない函館の地という設定だったこともあって、そんな函館を憂鬱な色に染めやがった犯人の少年への憎しみも激増しちゃってまして。読むのがつらかった、てのが。はい。
あ、あと、前々から気づいてはいたけど、やっぱ佐々木譲は短編に限る。私には。