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- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/02/07
- メディア: 単行本
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結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。
↑の帯の文句に期待させられた感があります。
ママ友コミュニティの格差だって!不倫だって!うわあブラック桐野ワールド堪能できるぞわーい!不倫かママ友同士の関係が悪化して、主人公の夫あたりが殺されるんでしょわくわく!
…とか興奮してページめくったけど、誰も殺されなかった。(桐野夏生をなんだと思っているのか)
しかも連載媒体がファッション誌ゆえか、それ系の描写が細かくて、意外だった。
ママ友コミュニティの薄ら寒さは想像通りで特になにも感じ入ることはなかったのだけど、高層マンションでの生活の不安定さや現実感の無さは、かなり恐ろしかった。外では雨が降っているのだけど雨粒が地面を打つ音が聞こえてこないこと、毎日こんな途方もない景色を眺めて暮らす子供の発育にどんな影響が出るのだろうと想像もできないこと、など。私は高い場所が好きなので、金銭面無視すれば11階以上の高層階の部屋に住みたいのだけれど、人間たるもの空に近づきすぎるのは、分不相応なのだろうなあと思いなおしているところ。空よりも土なんだよね、ほんとは。