源氏物語を知っていますか

源氏物語を知っていますか

源氏物語未読の非国民、手っ取り早く、“知っていますか”シリーズに頼ることにした。しかしそこはやはし天下の源氏物語なので、手っ取り早く感は薄かった。なめてた、ボリュームを。そして、結局よくわからず仕舞い。元より、光源氏の魅力がさっぱり分からない。それというのも、紫式部が女性の立場上、政治的なエピソードは盛り込んでくれていないため(知らなくて書けなかったのか、あえて書くことを避けたのか)、源氏が単なる自分勝手なスケベ男にしか見えない、という弊害ゆえなのでしょうね。実際は出自も素晴らしくて眉目秀麗、そのうえ政務も鮮やかにこなすそうですから、完璧そのもの、それはモテて当たり前、取っ替え引っ替え当たり前。しかし、それはようござんした、という感想しか浮かんでこない私です。非国民のままでよいです。
阿刀田さん、久しく読んでなかったんですが、なんか文体のクセが濃くなった気ぃするなあ。。


妻の超然 (新潮文庫)

妻の超然 (新潮文庫)

絲山さん、なんかもう、かっこよすぎる。大好きだ、この作品。
超然とは。
ポジティブにみれば、何にも乱されない冷静さ。憧れる境地。私に必要なのは、この超然てやつかなって思わなくもないのだけど。逆にネガティブにとらえたら、身勝手で、周囲と関わろうとしない臆病者だよね。いいんだか、わるいんだか。
表題作のラスト、夫の浮気に“超然”を貫いていたはずが、唐突な愛しさの奔流に乱されて、ついつい大笑いするとこがとても良かった。くわえて、「ああ、おそろしい」と独白。なんて秀逸なラスト!
それぞれ収められてる三作ともすんごく良かったけど、私小説風の「作家の超然」はなんだか厳かな気持ちで読んだ。キリッとした覚悟のようなものがうかがえて、これからの絲山さんが楽しみでしょうがなくなった。

糸真が弦をそこまで好きだったなんてー!恋模様、ひとそれぞれですな。でも、本人気づかないだけで、「自分のものにはならなくていいから、誰かのものにはならないで」って願いは、独占欲以上の執着心だよな。恐ろしいことだよな。
(え、私のこと?)
地元さっぽろネタ満載で、終始ニヤニヤ。あー、ビール園行きたくなったよー。