ジグβは神ですか (講談社ノベルス)

ジグβは神ですか (講談社ノベルス)

「大衆は、犯行の動機が理解できないことで、自分との距離が遠いと確認したい。だから、異常ならば異常で大いにけっこうなんだ。異常だというレッテルを貼ることで処理ができる。自分のごく身近に、そういう異常さがなければ、それで良い」

「みんながそれぞれ異常を持っている。あるいは、ほとんどの人間は異常だ。異常を平均したものが常識という幻想だといっても良い」

海月の犯罪に対する考え方、言葉になったものを読んで、意味を咀嚼すると私のそれに近いように思えて、この発見が嬉しかった。こういう気づきに出会える記述、森作品には時々ある。ありがたいです。
知りたい、理解したい、理解できなくとも納得をしたい。私がなぜ小説を読むのか、そこにも繋がる。

このシリーズを読むにあたってはいつも、読み物として面白いのかどうかを客観的に見極めようとするんだけど、どだい無理な話よね、10年四季博士に心酔している私には。四季博士の名前が出てくるだけで、鳥肌立ちます。C大チームに愛着無い分、もう私を突き動かすのは四季博士への強烈な憧憬以外にないのだ笑。でも今回は、海月に急に興味が。はてさて、次回作は何年後?それまで海月への興味が続くかは怪しい。うん。