風が強く吹いている

風が強く吹いている

箱根駅伝の季節になると、毎年読みたくなるし、読むと駅伝を見てみたくなる。しをんちゃんにしては、真っ直ぐな青春小説なところがこれまた。キャラ設定にらしさはうかがえるけど(大量の漫画本で床をきしませる王子なんて、まさに!)、しをん作品の中では万人におすすめできるという珍しい特徴をお持ちの良書です笑。
とは言うもののお正月は当然仕事の私なんで、ニュース番組以外でリアルタイムで箱根見たことなどもうほとんど記憶になく(しかもお正月のスポーツの目玉はラグビーの大学選手権派ですから)、今年この本を改めて開こうと思い付いたのは、深夜放送での映画を観たからなのですー。林けんとくんだかが主演の。
原作が良すぎるんで、超えなくていいから壊さないで!と願っていたのですが、すごく満足な出来でした。泣けた泣けた。俳優陣、美しく走ること。原作の、最後の箱根本番で、ランナー10人それぞれの胸のうちを描いてる場面が、私は猛烈に好きなのだけど、そこが映画ではちょっと短くて残念。ま、しょうがないか。それぞれいろーんな背景があるんだよな確か、と思い返したら読みたくなっちゃった。実家にあるんで、来週帰省したとき持ってかえってこよーっと。
若い男が10人も登場すれば、誰がいちばん好みかを自ずと順位付けするのがオナゴってものなんだけど、なんかそんなの寄せ付けないぐらいに10人の熱い世界築いちゃってるし、箱根一直線なんだよねこの子たち。小説のなかでも、その絆に対する憧れのような諦めのようなしをんちゃんの思いが透けて見える文章があるし笑。映画では、まあ、小出けいすけはかっこいいなあと思いました。演技がどっしりしてるなあ、と。
あと、ニラね、ニラ。犬にニラと名付けるセンスが好きすぎて仕方ない!