幸福な日々があります

幸福な日々があります

愉しかったんだよなあ、という素直な感想が込み上げてくる。(略)わたしは、なんだか、いろんなことを忘れていくようだった。だが、たとえ忘れたことすら忘れたつもりになっても、「なかったこと」にはならない。愉しかった思い出まで「ないこと」にしなくていい。

幸福な日々がありま“した”、という話のはずなのに、現在進行形のタイトルなのは、こうゆうことなのかなあって思った。
まあ実際嫌いで別れたわけでなければ、思い出すのは愉しく笑いあった日々のことばかりです。うん。
朝倉さんの、いちゃいちゃっぷりが「んもーごちそうさまですー」としか言えないほどに全開の夫婦物語といえば『夫婦一年生』ですが、あの二人もこうなっちゃうのかなあ?と、ちょっと哀しくなってきた。他の好きな小説の印象までどんより曇る。
ひとの感情が不変なわけがないんだよね。分かっている。だからこそ、その場その時が大切で、その場その時に嘘が無ければ、誠実であればいい。その場その時に嘘があったなら、今、誠実であればいい。