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横山秀夫復活ー!おめでとうー!待ってたー!!(心筋梗塞だったということは知らなかった…よく戻ってきてくれました…)
洪水のような涙を流しながら拍手喝采。素晴らしかった。このボリュームで全然間延びせず、緊張感が持続してるところが、まず凄い。冒頭の、ストーリーに動きの見えない中での警察組織や人物相関の説明部が多分他と比べるとすんごい長いんだけど、もうそれさえも気持ちが前のめりになって読んじゃうぐらい。こうゆうとこが、元新聞記者のなせる業かなあ、と。
まっさか“ロクヨン”が、闇に葬られたままかと思ってた事件が、あんなかたちでああなっちゃうとは!(ネタバレしません宣言)膨大な登場人物の名前にあんな秘密があったとは!!
とにかく、血がたぎる、かっこいい男たちの戦いの物語。ないがしろにされていない、女性たちも勿論かっこいいです。松岡参事官には惚れた。男がついて行きたいと切に願う男って、格別だよなあ。中盤までふらふらして実態のない感じのお偉方だったのに、なにあの大逆転劇は。主人公三上にトイレで待ち伏せされる場面が特に好き。あと、三上の奥さん・美那子さんが“特捜”の仕事をミスしてしまったかもしれない、と松岡に詫びた時の松岡の返しも素敵だった…
しかし、刑事vs警務があんな派手に書かれてる横山作品て初じゃない?笑 とにもかくにも、私はやっぱり警察小説書かせたら、横山秀夫には敵無しだと思う。大筋の事件の面白さは言わずもがなで、登場人物の機微にもこんっなに熱を注いで書ける作家、他にいる?

(とかなんとか言いながら、私、“二渡”にピンと来てなかったです…なーんかひっかかる名前やなあとは思ってたけども。D県警モノがきた、てことは、愛してやまないF県警の長編も今後読めることを期待。でも、お体はどーかどーかお大事に…)