plenty

plenty

化粧や服装に「年相応」があるように、聴く音楽にもそれがあると思っている。可視的ではないのだから、自分からオープンにしなければ不相応ぷりがばれて笑われたり後ろ指さされたりすることもないけれど、どうにも居心地(耳心地?)がよろしくない。
plentyには久しぶりにそんな苦い気持ちにさせられてしまった。23歳の若者が歌う心情は、たしかに23近辺の頃に私も感じていた記憶のある焦燥感と厭世感と自暴自棄と、隠したいはずの愛情への飢餓があまりにリアルだ。この、「青臭い」とも言える感情吐露に対して、現在29歳にもなっている立派な大人のはずの私は、寛大に笑って、「うんうん、そうゆうのって若さ特有だよね」なんて懐かしみつつ、もがく若者たちを温かい目で見守るというスタンスでいなければならない、そうゆう聴き方こそが「年相応」だと思っているのに、簡単に同調して他人事なんて思えなくてあっさり涙腺をさらわれてしまう。私自身の「蒼き日々」が切り捨てられる過去のものではないことにあっさり気付かされてしまう。やられた、と思った。
少しずつたしかに音楽の趣味は変わってきているけれど、あの頃必死で聴いていた音楽は、弱くて醜くてコントロールしづらい自己というものを、推奨はしてくれなかったけれど否定もされず、隣で一緒に頷いてくれてる友達みたいな存在だった。だからやっぱりplentyに惹かれてしまうのはしょうがない。しょうがないけれど、大人になれない自分に少しは溜め息が出てしまうし、出てしまうしけど核の部分が変わらない自分の感受性が愛しくもあるし、でもでも、こんな青い言葉たちに乱されない気丈さを持ち合わせていない未成熟さに罪悪感も感じてしまうし………とにかく、いろんな感情揺さぶられるほどに染み入る、本気の音楽、そうゆうことです。

鹿っぺが「シロップの継承者」みたいな紹介をしてたんだけど、シロップではないんじゃないかなあ…やっぱりランク色はとても濃い。あとは、バンプの藤くんがもう少し孤独だったら(あんな最強の幼なじみがいなかったら)こんな歌を歌うかもなあと。ちょっとメロディーとか似てませんか。